そとがわ編⑤外壁

そとがわ編 ⑤外壁

ポリシー : 古る美る家でありたい

gaiheki.jpg 外壁を考えるとき、まず現場で塗装するかしないか で分類します。 現場塗装する場合は、ほぼ10年ごとに足場をかけて塗り替えをすることになるので、明月社の家では塗装をしない方法を使います。
 塗装をしない方法にも、たくさんの工法があります。今建てられている家は、ほとんどがサイディングの外壁です。塗装も比較的耐久性があるし、何より安価ですが、パネルの継ぎ目が弱点で、雨漏れが多いようです。 しかも、見た目が何とも・・・

「モルタル掻き落とし」と「シラスそとん壁」

gsihrki2.jpg そこで、明月社の家では、「モルタルを塗って塗装しない」という方法をとります。モルタルに顔料を入れ、表面をザラザラに仕上げるのが「掻き落とし」。モルタルに火山灰を混ぜた特殊な材料が「シラスそとん壁」です。
 「掻き落とし」は茶室などにも用いられるように、見た目が非常に綺麗です。顔料の色あせや、雨のシミなどは徐々についていきますが、塗膜がないので塗り直しは不用です。(左の写真)
 「シラスそとん壁」の特徴は、水を通さずに湿気を通すということ。壁の中の湿気をそのまま外気に逃がします。デザイン的には掻き落としよりもややザラザラ感が強くなります。(上の写真)
 サイディングに比べると、価格的には両方とも2倍くらいになり、数十万の差がありますが、30年間のメンテナンスを考えると必ずしも高いものではありません。

米杉のサイディング(無塗装)

gsihrki3.jpg 米杉の板貼り(サイディング)を、軒の深い場所などで、部分的に使うことがあります。破風の項で書いたように、米杉(またの名をウェスタンレッドシダー)は大変耐久力のある木材です。壁のように雨が流れ落ちる場所ならば、安心して使えます。
 木の繊維を切らないように、あえて粗挽きの面を表にして、塗装はしません。自然に古る美ていくのを楽しむのです。
 他の材料にも少し触れておくと、タイルは耐久性も質感も申し分ないのですが、(詳細は省きますが)工法に問題があり、価格も高いものです。 伝統的な漆喰は、自然素材としては完璧ですが、いつも雨が当たる場所は難ありです。