そとがわ編 ⑦窓・サッシ
ポリシー : アルミにするべきか せざるべきか それが問題
マンションも含めて住宅の窓の9割以上がアルミサッシです。なぜならば、アルミサッシは実用的であり、コストパーフォーマンスで並ぶものが全くないからです。
しかし、いくつかの問題を抱えています。まず見た目。材料を選び抜いて作る明月社の家では、アルミサッシはやや頼りなく見えるというのが正直な感想。できることなら木製のサッシを使いたい、といつも思いながら、大幅なコストアップにたじろぐのが常です。
もう一つの問題は、アルミは電気の塊ということです。アルミ1kgあたり13kwhの電気が必要と言われています。家一軒のサッシに平均240kgのアルミが使われていますから、約3000kwhです。日本中の住宅で使うアルミが、日本中の原発の4日分の発電量に相当します。(アルミはほぼ海外製で、唯一の国産は自社の水力発電ではありますが。)
木製、アルミを使い分け
外壁のように、コストをかけただけ耐久性もアップすれば迷うことはないのですが、アルミサッシはそこそこの耐久性があります。逆に、木製は塗装の塗り替えが必要です。
その塗り替えを含めて予算が許すならば、木製サッシをお勧めします。ただし、輸入物は雨の多い日本に適さないことがありますので、「もくまど」という国産メーカーの製品を使います。
水回りや廊下などの小さい窓はアルミにするなど、使い分けることでデザインと環境とコストのバランスを考えながら設計します。
それでも、100万~200万ほどのコストアップになると思われますので、無理をせずに全てアルミサッシにすることも、当然の選択肢の一つです。
窓を楽しもう
もうひとつ重要なことは、窓は家の楽しみだということです。ついつい実用一点張りで窓の位置や形を決めてしまいがちです。それでは、せっかくの窓が活きてきません。
光、風景、広がり、開き方、窓次第で空間は大きく変化します。ぜひ、ワクワクしながら窓を考えてみたいものです。