家づくりの罠 5

■隠された罠の正体とは・・

  • 家づくりの隠された罠 5

共通項とは メーカーでも 工務店でも 建築家でも


どんな家にしようかと 考えているのは会社の人
  それを見て うーんと唸りながら悩んでいるのはあなた

この違いが大切です
  考えているのは会社の人
  Kさんはその結果を見て悩んでいる

えー わたしかて一生懸命考えているでー!

そう 夜な夜な悩んでいるあなたは言いたいですよね
さきほど あなたはどこかの会社に 「あんな部屋があってこんな風にしたらいくらかかりますか?」 と聞きました
ということは 自分で決める ということを一応やっているんで

何にも考えてなかったら 「あんな」とか「こんな」とか言われへん

そうですよね でもちゃんと言えていないから 後になって悩んでいるんです

そりゃ 専門家やないんやから上手く言われへんのは当然とちゃう?

また遠回りしますが 料理の場合を考えてみてください
Kさんがパリに旅行して、なんとかして料理をオーダーしなければならない場合は どうしますか?

英語も喋られへんからなあ・・・ ジェスチャーしたり 絵かいたりして 食べたいもんを分かって~ てアピールするやろな

そうですよね
フランス語が分からなくても どの素材でどんな味付けのモノが食べたいかが伝われば それなりの料理はでてくるはずです

運よく伝わればね

ところが、日本にいて、例えばファミレスでこんな頼み方をする人はいますか?
あるいは、逆に 高級レストランだったらどうでしょう
メニューにないものを、「ぴちぴちのヒラメにたっぷりとオリーブオイルを使って 云々」と言って頼むひとなんてまずいません

うんうん

でも よーく考えたら 「頼んじゃいけない」 という決まりはないんです
メニューの中から頼むもんだ という先入観を植え付けられているだけです
パリだったら最初からメニューが読めないから 一所懸命に食べたいものを伝えようとするけれど、日本のレストランだとかえってそれができないんです

な~るほど  家の場合でも同じちゅうことやね

そうなんです 
「メニューにないものを頼んだらあかんのやろな という先入観」 こそが隠された罠なのです
この罠にはまると 自分で考えて自分で決めていると思っていても、実は考える機会も 決定権もあらかじめ奪われているんです

うーん、分かったような気もするけど、カタログも何も無しで、実際に家の検討なんてできるんかなあ

じゃあ こんなふうに考えてみたらどうでしょう
Kさんは 最初に 「料理なら失敗しても作り直せるけど」 て言ってましたよね

うん 言うたよ

800円のランチにせよ、1万円のディナーにせよ この程度ならばメニューを見ながら いくら悩んでも5分かそこらでしょう
それなりに満足できるし もし 満足できなくても あ~あ で済む話です

まあそうやな

でも 例えば300万円の車を買うとしたらどうですか
カタログ1冊見て 5分で決められますか

絶対無理!
カタログ集めて あちこち店を回って、決めるまでに 最低1ヶ月はかかるやろね

それと同じことを 家作りでしようとしているから 悩んで悩んでプレッシャーに押しつぶされそうになるんです
少々乱暴な言い方ですが 価値判断の複雑さは価格の2乗に比例します

どういうこっちゃ?

ごく単純に言うと、価格が高いものほど判断しなければならない分岐点が多くなり、枝分かれして、ネズミ算式に増えていくんで
もっとも実際はその時の必要性だとか外的要因が多すぎて、計算通りには行きませんけれども

でもまあ、おおざっぱに言うと、300万の車で1ヶ月かかるということは 3千万の家を建てようと思ったら 決心するのに100ヶ月かかる ということ

100ヶ月て 8年かいな!

同じやり方をしたら 本来そのくらいかかる ということです
それを数ヶ月で決めようと思うから 無理があると考えられませんか?

8年間も何をするわけ?

ありとあらゆる情報を収集して、それの善し悪しを判断するための情報をまた収集して、それらの中での優先順位を考えて・・・
車好きの人が車の検討をするのと同じようなことを、家についてやり始めたら、8年は兎も角 3年や5年くらいはすぐ経つでしょうね

5年も前の情報なんてもう古くなってるやん
それに 途中で絶対嫌になるわ
かと言って途中で妥協したら不完全燃焼やし

そうです
ほとんどの人はこの不完全燃焼で家を作っているはずです
大事なことは 同じやり方をしない ということです

まず、雑誌やカタログは全て捨ててください
見ること自体は悪くないのですが 罠にはまった思考回路を解放するために いったんその類のものは捨ててしまった方が良い
せめて タンスの奥にしまい込みましょう

それで?

「どんな家にしたいか」ということを ち
ゃんと自分の心と言葉で言えるようになる
ということ
これが いい家作りの特効薬です

ここまでひっぱった割に 地味な特効薬やな

そうなんです
地味すぎて気が付かなかった当たり前のことを きちんとできるようにするというのが この特効薬の特徴です
魔法の呪文を唱えると・・・ という類ではありません

なんとなく分かったような気はするけど それじゃあ どうやったら自分の心と言葉で言えるようになるの?

さあ やっと私の出番ですね
これは、設計とか計画とか以前の問題です
略して言えば、HDSSとでも言いましょうか・・・

なんや めっちゃ怪しそうやなあ

そ そうですか  そんなことないないですよ (汗)

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